山猫島

we didn't mean to go to sea.

わがそでに

静かである。客なんてきやしない。今のところ来客者数1。 朝、小さいほうきで店の前の雪をはきのけた。スコップが店になかったのだ。雪は重い。こんな静かで暖かい店内で、一人座っていると、なんとも不可思議な感覚に襲われる。 頭の奥の方から。体の奥の方から。湧き上がってくる熱。体表面に行き着いた瞬間、空気に溶け、発散していく。 どれだけの世界が私の周りに今あることか。