山猫島

we didn't mean to go to sea.

楽園と世界のおわり

いま、Ruは中学生である。
彼女は高校進学を目指しているらしい。語尾が曖昧になるのは、彼女が普段あまり勉強をしている姿を見せないばかりか、あまり勉学に重きをおかず、見せてもらった限り結果も芳しくはない(少なくとも私の基準では)からだ。彼女いわく、将来的には大学に進学し社会学を学ぶことが目標であるとのこと。環境問題に興味があるとのこと。しかし、傍で見ている限り、彼女にとって現在最も重要で最高の関心を払うべきこととは、環境問題や高校受験などではなく、あるJ-popバンドが今どうしているかであり、今どんな流行の歌が有り、お笑いがあるのかであり、友だちと話題になる漫画の行方やキャラクターの性格である。これは、かなり自然な状態であろう。むしろ、今は環境問題が私の最重要課題です、などと大真面目に語る中学生がいたら、そのほうが特殊な状況といえるのではないだろうか。
彼女の高校進学の決意がもたらした、騒ぎは一先ず今度の話にでも。彼女を眺めることで、私自信の記憶が揺り動かされ、愚かしいほど大切に守り続けてきたものを吐露しそうになる。

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