ここはどこ

二限に間に合うようにと正門までの坂道を登っていた。30代くらいの普段着の女性がすれ違った瞬間、声をかけてきた。‘すいません。この駅の出口は何個かあるんですか？文京区にはどっちに行けばいいんですか？‘
ここは目黒区である。大学の目の前にあるここの駅からはどの出口から出ても文京区には行けない。と説明した。
‘じゃあ文京区と接しているわけでもないんですか！？‘と驚いて、適当な文京区までの行き方を伝えた私に、軽く感謝しながらその女性は歩いていった。

迷いでた感のあるこの女性は、ここがどこの区であるのか、目黒区っていったいどこにある区なのか、文京区の位置関係など、多分何も知らなかった分からなかっただろう。。しかし突然そんなこと言われたほうもかなり驚いたのだが。
私も関東の地理にはとんと疎く、箱根が東京の北にあると信じ込んでいた人間ではあるが、なんとも形容できない出来事だった。