山猫島

we didn't mean to go to sea.

「ある」ことを感じること

昼間に色んな熱源にさらされ続けた気体が、何でこんな狭い部屋にまで満遍なくいきわたろうとする力を持つのかが不思議だ。そう、畳の上から天井を見ながら、胸のなかでつぶやいた。もしかしたら口に出していたかも知れないけれど、知覚のさかいめを認識することは、頭を動かして目を横に向けるのと同じくらい面倒くさかった。分かったと思ったことは、どれくらい本当にあることなんだろうか。見えた構造が私にしか見えていなかったら、結局、冷蔵庫の中の氷と同じだろう。冷蔵庫まで体を運ぶ気にならない。
埒も明かない考えの断片。考えたともいえないような、言葉の切れ端。あるんだよと言ってしまいたい。断言できない弱さと、断言しない傲慢さ。