山猫島

we didn't mean to go to sea.

叩きをかける

久しぶりに、丸一日、講義も実験もサークルの予定もない。さらに金もない。というわけで、丸一日店番をすることになった。 これでどうにか三度止められる前に、携帯の料金を支払うことができるだろう。
店番といっても、今日は一日店主がいないため、思う存分自分の仕事に専念できる。もちろん本当は店番中は店の仕事をするべきなのだが…店の仕事というのはやり始めると、どんどん増えてくる。たとえばデータ入れをしようとする。するとデータにあるのに値札に書いていない本や、なぜか現物がなくなっているものなど、データを直す作業が入る。さらに入れた本の状態を調べ、汚れを落とす。値段の付け替えもある。また入っていた棚の本の並びや、違うところに入っていた本も、分類に従い揃え直す。また本の入っていた棚板を拭かねばならない。等等。あっという間に日も暮れて一日が終わってしまう。
一年中休みなく働き続ける店主を見ていると、古本屋ほど忙しく実りのない職業もないのではと思ってしまうこともある。それでもやはり、カウンタに座り、自分を囲む空間がすべて本で埋め尽くされているのを感じるときは、自分の境遇に至福を感じる。