山猫島

we didn't mean to go to sea.

スウィミングスクールの帰りに

今、実家の目の前に立つマンションは私が小学二三年のころに建った。小学一年のころに、まだ空き地だったそこで、遊んだ記憶が確かに残っている。
今、きれいに整備されたせせらぎは、コンクリートの上を流れる泥水の流れであった。環境整備工事がはじまり、流れをせき止めて出来た、小さなダム。泥水であふれかえるそのよどみにもぐって遊んだ夏の昼間、橋の上からは近所のおばさんが声をかけてくれた。
思い出になるなんて、考えもせずにすごしていた日々。
今日乗ったバスで、いつものごとく道路の盛り上がりを越えるとき、浮遊感にふいに隣に問いかけた。波乗り気分でバランスを取ってはしゃいだ記憶の有無、スウィミングスクールの帰りに二人で。